目次
1. TikTokに「カート」がやってきた:導入の背景と衝撃
TikTokを開いたとき、そこに“商品”が並んでいたらどう思う?しかもそれが、誰かの面白い投稿動画の中に溶け込んでいたら?──そう、TikTokが「見る→欲しくなる→買う」がシームレスに繋がる時代を日本にも本格的に持ち込もうとしてる。
2025年6月、日本でも「TikTok Shop(ティックトックショップ)」が正式リリースされる。
これはただのEC機能じゃない。
TikTokの中で動画を見ながら、その場で商品を買える、SNSとECが完全に融合した「ライブコマース×エンタメ」な世界だ。
アメリカや東南アジアではすでに流行ってるこの機能、なぜ日本でも始まるのか?
理由はシンプル。
日本人のTikTok滞在時間は1日平均44分(2024年時点)、Z世代に限れば1時間を超える。そこに“買いたくなる導線”が組み込まれれば…売れるのは当然。
誰が使えるの?
- 企業アカウント(ブランド)
- 個人クリエイター(インフルエンサーやYouTuberも)
- 中小企業やD2Cブランド
「フォロワー数が少なくても売れる仕組み」が用意されているのが特徴。
TikTokのアルゴリズムは、とにかく“面白いかどうか”がすべて。だから、初心者でもバズれば一気に売上げに繋がる可能性がある。
2. TikTokショップって何ができるの?
TikTokショップには、以下の3つの主要機能がある。
① ライブショッピング機能(ライブ配信で即購入)
- 商品を紹介しながらライブ配信
- コメント欄で質問→すぐ返答→そのまま購入導線
- インフルエンサーとのコラボ配信が多い
→ 「テレビショッピングの令和版」といってもいいかも
② ショッパブルビデオ(動画に購入リンク)
- 投稿動画内に「商品タグ」や「カートマーク」をつけられる
- タップすると商品情報が出てきて、アプリ内で購入できる
→ Instagramのショッピング機能に似てるが、UIがより自然
③ プロダクトショーケース(プロフィール内ショップ)
- 企業やクリエイターのプロフィールに「商品一覧」タブを設置
- 在庫・価格管理はTikTok内で完結
→ ネットショップを持たなくても販売できる!
これにより、ユーザーはエンタメ動画から離れることなく買い物ができる。これって、Amazonでも楽天でもできなかった体験じゃない?
3. 海外事例から見る“売れる動画”の方程式
TikTokショップは、すでにアメリカや東南アジアで爆伸びしている。その中でわかってきた成功法則がある。
売れる動画の共通点:
- 「最初の3秒で引き込む」フック
- 「体験談」や「比較」要素を入れる
- 「素人感」×「リアルな表情」のほうが信用されやすい
- 1つの動画で売るより、シリーズ化で関心を継続させる
しかも、これらの動画の多くが広告臭ゼロで、むしろ「シェアされたい欲」がある作りになってる。買われるより、まず見てもらう。その延長に“購入”がある感じ。
4. TikTokショップで勝ち抜くための3つの戦略
TikTokショップを使えば誰でも売れる?…いや、そんなに甘くない。
確かにチャンスは平等だ。でもその中で「選ばれるアカウント」になるためには、戦略が要る。
ここでは、実際に海外や一部国内テストユーザーが活用している成功の法則を3つ紹介する。
1. 「売る動画」と「魅せる動画」は分けろ
・商品の魅力を伝える「販促動画」
・世界観やキャラを見せる「ブランディング動画」
この2つ、混ぜると中途半端になる。売りたいときはとことん売りにいけ。逆に、フォロワーとの関係を深めたいなら「見て楽しい」ことに集中しろ。
2. ストーリーで「なぜこれを使うのか」を語れ
TikTokの視聴者は賢い。押し売りは通用しない。だから「なぜ買う価値があるのか」をストーリーで示す。
たとえば…
- ある日突然、肌荒れが悪化 → 薬じゃなくてこの化粧水に出会った
- 子どもの朝食に悩んでたけど、この冷凍食品で毎朝笑顔になった
こういうリアルな生活に溶け込んだストーリーが刺さる。
3. インフルエンサーと組んで“第三者の声”を使う
人は、自分よりも“他人のおすすめ”に弱い。
信頼を借りたいなら、インフルエンサーと組むのが最短ルート。
実際、TikTokショップ内の売上のうち約60%が「アフィリエイト経由」だと言われてる。
紹介報酬を設定すれば、影響力ある人たちが自分の商品を“勝手に”売ってくれる構図ができあがる。
5. クリエイターも企業も激変する「収益モデル」
TikTokショップの導入は、ただの“新しい販売チャンネル”ではない。
もっと大きな意味で、クリエイター経済と企業のマーケティングの在り方をひっくり返す可能性を持ってる。
クリエイターの未来:フォロワー数より「売れる力」
これまでのSNSでは、フォロワー=価値だった。でもTikTokショップでは「売れる投稿を作れるか」が収益につながる。
→ 無名でもバズれば売れる
→ フォロワーが少なくても売れる
つまり、スキルと工夫次第で無名から稼げる人間になれる時代が来た。
企業の変化:広告費の使い方が変わる
今まで企業は、インフルエンサーに「PR案件費用」を払ってた。
でもこれからは「成果報酬型のアフィリエイト」+「自社アカウントでの販売」が主流になる。
広告じゃない、“買ってもらうための動画”が必要になる。
TikTokの中で育つ、ブランドの人格や物語がより重要になる。
6. 今後どうなる?日本市場でのTikTokショップの未来
日本でTikTokショップがどう広がるか。
正直、TikTokのユーザー層は若年層が多い。そこに「購買力」が乗ってくるには時間がかかるかもしれない。
でも、ここで見逃せないのが…
1. 若年層の「情報源=TikTok」化
10代〜20代にとって、商品を知るきっかけは「TikTokで見た」がトップ。
Google検索よりもTikTok内検索が使われているというデータもある(2024年LINEリサーチ調べ)。
→ TikTok上に“売れる情報”を置いておくことが、検索対策になる。
2. オフラインからの誘導
コンビニで売ってるドリンク、ドラッグストアのコスメ、居酒屋の看板メニュー…
こうした“リアルの体験”とTikTokを掛け合わせて紹介する動画が爆伸びする可能性もある。
→ TikTokで見た → 実店舗で買う、という流れも生まれてくる。
7. まとめ:TikTokショップは「売り方の民主化」だ
TikTokショップの登場は、販売の力を一部の大企業から、クリエイターや個人の手に引き戻した。
映える、伝わる、共感される動画を作れれば、誰だって「売れる人」になれる。
- フォロワー数じゃなく、影響力を持てる
- 広告じゃなく、ストーリーが売れる
- コンテンツから直接、収益が生まれる
TikTokショップは、まさに「売り方の民主化」そのものだ。